導入事例 vol.03 早稲田大学
「教育・研究」を支える新しい“ITインフラ”
セキュリティ強化とIT投資の最適化を実現

2032 年に創立150 周年を迎える早稲田大学様は、アジアのリーディングユニバーシティとしての確固たる地位を築くための中長期計画「WASEDA VISION 150」を策定、実行しています。本計画の実現に向け、同大学情報企画部では、情報化の価値を最大化すること
により達成すべき目標と施策を情報化重点施策として掲げ、クラウド環境へのシフトや、そのセキュリティ対策強化といった諸施策の実行を加速させています。
社名:
早稲田大学
設立:
1882年(大学設置 1920年)
事業内容:
教育、研究
教職員数:
2,904名(専任職員829名、専任教員2,075名)※2024年4月
拠点:
世界10カ国・地域に15拠点
※国内主要キャンパス
早稲田・戸山・西早稲田・所沢
導入前の課題と背景
早稲田大学情報企画部は、3年ごとに情報化重点施策を策定している。これまでに、コラボレーション、災害対策、セキュリティ対策等を重点領域とし、さまざまな事業に取り組んできた。直近、2021年にスタートした重点施策のテーマは、『研究、教育、それらを支える大学運営のDX推進』である。「DXを推進する上で、その土台となるセキュリティは非常に力を入れなければならない領域だった」と情報企画部情報企画課の楠氏は語った。

早稲田大学
情報企画部 情報企画課
楠 仁志 氏

早稲田大学
情報企画部 情報企画課
小泉 幸宏 氏
導入前の課題
-
コロナ禍で在宅勤務やオンライン授業が増え、通信量やセッション数が増加
-
既存のVPN装置におけるトラフィック渋滞の発生
-
学内からの業務のみを前提としていたセキュリティ対策への不安
導入後の効果
-
ITインフラ設備の最適化による長期的なコスト削減
-
ユーザーの利便性とセキュリティレベルの高度な両立
-
業務PCから最寄りのCato PoPに自動接続することによるボトルネックの分散
導入後のイメージ

インタビュー内容のご紹介
Cato Cloud導入前の課題と背景
早稲田大学情報企画部は、3年ごとに情報化重点施策を策定している。これまでに、コラボレーション、災害対策、セキュリティ対策等を重点領域とし、さまざまな事業に取り組んできた。直近、2021年にスタートした重点施策のテーマは、『研究、教育、それらを支える大学運営のDX推進』である。「DXを推進する上で、その土台となるセキュリティは非常に力を入れなければならない領域だった」と情報企画部情報企画課の楠氏は語った。
研究・教育を支えるために“欠かすことができない“
次世代ネットワークインフラストラクチャ
昨今のコロナ情勢により、インフラとしての『ITの位置づけ』が本質的に大きく変化したと感じる。従来であれば、当たり前のように学生が教室に集まり、黒板やホワイトボードを中心に授業を行っていた。それは裏を返すと、“通信が途切れても授業に支障がない”状態だった。しかし、コロナをきっかけにオンライン授業が増えたことにより、ネット上で授業を行うことが当たり前になった。さらに、コロナが落ち着いたからといって、オンライン授業が完全に無くなるものではない。そして、研究においても同様の変化は起きた。そう考えると、コロナを通じて、I Tインフラそのものが“研究、教育を継続する上で欠かすことができないもの”へと変化したと言える。そして、「研究、教育、それらを支える大学運営のDX」を実現するためには、その土台となるITインフラをより強靭なものにしつつも、ITへの投資を最適化していくという難しい舵取りが急務となった。実際に、オンライン授業や在宅勤務等が増えると、通信量やセッション数の大幅な増加というキャパシティ面や、在宅勤務を標的とした攻撃増加等のセキュリティ面での無視できない複数の課題が顕在化した。そうした際に、主に大学運営のDX推進に向けた一施策として、「 Cato Cloud(CATO Networks社が提供するSASEプラットフォーム)」に大きな価値を見出した。
Cato Cloudを選択した理由
既存のリモートアクセス基盤の置き換えに留まらない、
導入後の“相乗効果”に対する期待
当初、リモートワーク時におけるVPNの代替技術という意味合いが強かったが、検討を進めるうちに Cato Cloudが持つポテンシャルへの期待が膨らんだ。 Cato Cloudが次世代ファイアウォール、IPS、次世代AVなどの多様なセキュリティソリューションを包括的に提供できるだけでなく、それらと類似する既存ソリューションをCato Cloudに置き換え、集約していくことにより、IT投資の最適化にも寄与できる大きなポテンシャルを秘めていることが、PoVを通じて確認できたからだ。
PoV(価値検証)で「これは使えるな」と実感
コスト削減効果も後押し
当時、SASEという概念やCATO Networksというベンダーは、日本市場ではまだ認知度が低かった。「今回のコロナをきっかけにGlobal-Dots社からの提案を受け、リモートワーカー向けにPoVを実施したことが導入のきっかけとなった。 Cato Cloudの導入を検討していた担当者だけでなく、PoVを通じて、当課内外の多様な人達が Cato Cloudの利便性を実感できたことが、導入の大きな決め手となった。また、既存のインフラ設備を Cato Cloudに『集約する、置き換える』ことによる長期的なコスト削減が見込めたことも本格導入を後押しした。」と楠氏は振り返った。
Cato Cloud導入後の効果
導入は非常にスムーズだった
どこでも仕事ができる、それが最大のメリット
代理店であるGlobalDots社の協力を受けたことにより、 Cato Cloudの利用に向けた環境構築や、実際の検証作業は非常にスムーズに完了できた。コロナ禍という特殊な環境下においても、「利用者の場所を問わずに安心安全な業務環境を簡単に提供できるようになった」これが最大のメリットである。
VPNの通信課題をまとめて解消
同時に定期的なリプレースなど運用負担も軽減
これまでも学外から業務環境に対する接続は不可能ではなかった。しかし、既存のVPN装置はス
ケールアウトが容易ではなく、トラフィック渋滞が起きていた。更に、コロナ禍でクラウドサービスの利用が増え、大学のネットワーク帯域やセッション数も増加していた。 Cato Cloudは必要に応じて契約帯域を変更すれば即座にスケールアウトが可能となる。また、大学では定期的にネットワーク機器のリプレースを行っており、VPN装置も例外ではなかったが、 Cato Cloudでは将来的にもハードウェアのリプレースは不要だ。結果的にリプレースに掛かるコストと運用負担を軽減できる。
利便性を保ちつつ、ゼロトラストベースの認証と
トラフィックの可視化を実現
Cato Cloudが大学運営を支えるインフラを安全に保つ上で寄与している点は、大きく分けて2つある。まず1つが既存のAzure ADと連携してゼロトラストベースの認証・認可を行える点、もう1つが多様な観点からトラフィックを可視化できる点である。特に前者は、日常のリモートワークをセキュアに保つために必要不可欠な技術要素となる。管理者の負荷軽減とユーザーの利便性のため、SCIMプロビジョニングとSSOを利用することとした。導入当時、ベータリリースだったSCIMプロビジョニングに不具合が発生したが、GlobalDots社の支援を受け、僅か数日で不具合が改修されたことにより、導入後のサポートにも安心感を得た。今回のAzure ADのように、既存リソースを利用した導入もきちんとサポートしてもらえることのメリットは非常に大きい。そして、 Cato Cloudは標準で多様なセキュリティ機能を搭載、不審な動きをしているユーザーを自動的に検出、排除する。その結果はリアルタイムに管理者に通知され、何かあった時には早期に対応できる。これまでも学外からアクセスできる環境はあったが、通常業務での汎用的な利用を想定したものではなかった。まさに新型コロナウイルスの発生で状況が一変し、在宅で仕事せざるを得なくなった時に、「Cato クライアントさえあれば『柔軟な働き方を力強く支援できるリモートアクセス環境』を即座に提供できるようになった。」と小泉氏は締めくくった。
「これまでのセキュリティソリューションは、多かれ少なかれユーザーの利便性を損なう側面があ
った。しかし、 Cato Cloudは、ユーザーの利便性とセキュリティ向上を高度に両立することに寄与できただけでなく、その利便性に対して現場からも一定の評価を得られたことで今回の導入は成功だったと実感した。」と楠氏は語った。
今後のCato Cloudの活用と期待
DX推進を下支えする
次世代ネットワークインフラストラクチャへ発展
「昨今、DX推進が叫ばれる中で、『どこでもセキュアに働けること』は非常にポジティブな影響を及ぼすと期待している。加えて、セキュリティに関しても多様な観点からの対策が求められているが、オールインワンで様々なセキュリティーソリューションが提供される Cato Cloudを活用することにより、アラカルトで追加投資していく場合と比較して、長期的にコストが純増していくリス クを低減できる。その点で Cato Cloudが担っている役割は非常に大きい。今後は、冒頭で説明した学内のDX推進を下支えするものとして発展させていきたい。また、Cato Cloudを導入して安心するのではなく、その導入効果を最大限に引き出すために、Cato Cloudがあることを前提とし“ITのPortfolio”、および”セキュリティのPortfolio“にシフトしていくことによるIT投資の最適化も推進していきたい。」と楠氏は抱負を述べた。