導入事例 vol.01 株式会社トプコン
中国へのWAN敷設のため導入
グローバルWANとセキュリティ強化が実現!

東京に本拠を置くトプコンは、医療、農業、インフラの分野における社会的課題に対応するグローバルなテクノロジーソリューションを提供しています。
社名:
株式会社トプコン
設立:
1932年
事業内容:
眼科医療・IT農業・インフラ分野の 精密光学・計測機器の研究開発・製造・販売
社員数:
4,955名(連結・2021年3月末現在)
拠点:
世界31か国、販売65拠点、開発28拠点、生産13拠点
導入前の課題
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細く遅いMPLS回線。回線増設すると、コストが高くなり非現実的
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中国を含めたGlobal WANが必要に
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セキュリティ強化が課題
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ネットワークインフラの準備が、ビジネス拡張のボトルネックに
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IT部門の運用負担増
導入後の効果
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広帯域で高速なインターネット回線を活用し、中国を含めたグローバルWANを実現
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WANもリモートアクセスも、次世代セキュリティ基盤で均一に保護
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“自宅の回線設置”のスピード感覚でWANを拡張
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最小限のリソースで、グローバルWANの運用、セキュリティ確保、全ユーザへのVPN基盤の提供がほぼメンテナンスフリーで実現
導入後のイメージ

インタビュー内容のご紹介
Cato Cloud導入前の課題と背景
トプコンは、販売、開発、製造の各拠点を世界中に置き、グローバルに事業を展開している。しかし、3年前の当時はWAN構成は国内にしかなく、アジア地域にはMPLS回線を引いていなかった。MPLS回線は、細く遅いことが一番の課題で、限界を感じていた。当社が目指す「医・食・住」のDXソリューションを実現するためには、アジア地域でのWAN拡張と、グローバルな製品開発を実現する”簡易に、速く、セキュアな”ネットワークインフラの準備が急務だった。
グローバル77拠点のネットワークインフラに
欠かせない ”SD-WAN”へ方向転換
当初、IT部門のサポート範囲が日本のみだった為、グローバルWANの検討から外して考えていた。まずは『MPLS回線のコスト低減とセキュリティ強化』を目的として、製品の調査を開始した。 調査を進める中で、代理店であるGlobalDots社から当社が抱える課題のソリューションとしてCATONetworksが提供するSASE/SD-WANソリューションCato Cloudを提案された。それは、我々が目指す方向性と合致し、さらに未着手であったグローバルWANへの可能性も感じ、改めてSD-WANの検討へと舵を切った。
Cato Cloudを選択した理由
高度なセキュリティ基盤がプラットフォームに内在し、
データやデバイスをリアルタイムに監視、保護
SD-WANの検討を進める中で、”Cato Cloud”はもちろんのこと、”SD-WAN”自体の理解が社内でなかった。IT技術革新の進んでいた米国の子会社でも利用実績はなく、SD-WANの導入検討はグローバル拠点含め初めてであった。グローバル拠点が多い当社では、SDN技術を導入するメリットは大きい。遠く離れた拠点間ネットワークでも、同一のソフトウェアから一元管理できるからだ。SD-WANはその延長線上にある。まずは、経営層と現場の担当者に”SD-WANの可能性”の理解を得た。各SD-WANベンダーのソリューションを比較し、最終的にCato Cloudに決めた。
一番の決め手は、SDN技術のコアである”アプリケーション単位での通信内容のチェック”ができることである。他のソリューションでは、一様にWAN回線の自由度の高さを謳うことが多かったが、”セキュリティ基盤の内在”を謳うサービスは、Cato Cloudだけだった。そして、 もう1つの決め手は、中国への対応だった。当時から、中国にWAN敷設ができるSD-WANはCato Cloudだけだった。
「中国への接続はWANもVPNも比較的運用コストが高い。中国には工場も販社もあり、当社にとって重要な拠点だった。そのため、Cato Cloudへの投資価値は十分あった。価格的なところでは、既存のMPLS回線の同等以下の金額で導入できることと、当時、他のSD-WANと比べても安価であったので採用した。最終 的に、SD-WANの導入が容易な分、入れ替えも容易と判断して、まずは社内要件であるアジア展開、グローバル共同開発の実現を目指し、導入へと踏み切った。」と中島氏は語った。
Cato Cloud導入後の効果
中国のW A N 敷設、アジア展開を簡易に実現!
インターネット回線があればリモートで全て対応
代理店であるGlobalDots社の支援もあり、導入はとてもスムーズだった。アジアで展開を開始したSD-WANサービスだったが、インターネット回線があればリモートで全て対応できるので、現地におもむいて作業をする必要がなくなった。そのため、IT部門の負担を大幅に削減することができた。このタイミングで既存のアプライアンスによるVPN通信からCato CloudのVPNClientへ移行した。携帯のユーザー600人程から始め、PCへと段階的に導入を進めていったので、ユーザー側の慣れにより大きなハードルにはならなかった。また、既存のMPLSへのサブ回線として導入を進めたので、リスク最小化 もできた。
COVID-19による在宅勤務の急激な拡張も
問題なく対応、影響を最小化
コロナによる業務への影響が生じる前に、リモートアクセスVPNをCato CloudのVPN Clientへ移行していたことで、当時のメディア報道にあったような他企業で起こっていた混乱は当社にはなかった。そのため、コロナに起因する在宅勤務の急激な拡張に対応したことへの社内の評価は非常に高かった。また、コロナに限らず、社員が社外からアクセスする際にセキュアな環境を提供できたメリットは大きい。今回のことで、社員の自宅のWi-Fiネットワークがとてもプアな状態であることが顕在化した。在宅勤務時に会社の資産(端末・情報)を接続する。それは、セキュリティリスクが社員の自宅回線まで及ぶこととなり、つまり、“グローバル拠点以上の広範囲”にリスクを抱えることになる。その点で、Cato Cloudが社員の利便性を損なわず、”ユーザの通信の中身をチェック”し、その状況をIT部門から一元的に可視化できるセキュアな環境を提供できることは、会社として大きなメリットとなった。
セキュリティもVPN機能も単一SD-WANで提供
その効果は、運用者の負担を大きく削減
実は、アジア地域以外は他社のSD-WANを利用している。そこと比較をすると、Cato Cloudはセキュリティ機能、VPN機能を単一プラットフォームで提供され、比較しても価値を感じている。当社企業規模では、IT部門の担当は1~2名程で、社内、アジアも国内WANも”全て”のサポートを求められる。他のSD-WANはクラウドにVPN機能が無く、各拠点のアプライアンスにパッチをあてたり、ファームウェアをアップデートしなければならない。その設定作業で人為的ミスも起こり得る。しかし、Cato Cloudにしたことでその作業は自動処理され、人為的ミスも起きづらくなった。また、Cato Cloudでは当社が期待するサービスが随時提供され、また運用者に専門的知識が無くても、モバイル、Linux端末上、WAN/VPN上で、共に同じレベルで多様な機能が利用できる。この点は他のSD-WANにはない価値である。
新工場の設立、拠点の移設も
”自宅回線の設置”のスピード感覚で
当社は、拠点を移動させることが比較的多い。先日も、米国の拠点で山火事の影響があるため、ネットワークの接続ポイントを一部クラウドソケットに変更した。この場合、通常であれば、もう1回MPLSの線を引く手間が掛かかる。しかし、Cato Cloudであれば、同時に線を引いた状態で契約変更するだけで入れ替えができる。例えば、クラウドサービスの利用が増えたり、サーバが増えたといった時に帯域幅を変更しなければならない。その場合も最小限の投資をして、簡単に通信速度の改善ができる。このようにWAN回線の設計が自由にでき、“自宅回線の設置”のスピード感覚で拡張・変更ができる。そのおかげで新工場の設立、拠点の移設においてネットワークインフラの準備がボトルネックになることが無くなった。
今後のCato Cloudの活用と期待
BC/DR環境を視野に
BGPルーティング技術を利用して回線の冗長化
「導入当初は、既存WANのサブ回線としての役割だったが、2年の運用を経て、MPLS回線の見直しをしている。基幹WANは現在もMPLSを利用しているが、SLAレベルに応じてCato Cloud一本に変更する回線も増えている。また、グローバルW A N の接続ポイントをAWS/Azureに置き、BGPルーティングの技術を利用して冗長化の検討を始めている。今後、どちらかのクラウドが落ちた場合でも “ネットワークがつながっている”ようにBC/DR環境を設計していきたい。そのような構成を即時構築できることが“SD-WAN” Cato Cloudの価値だと言える。SD-WANにセキュリティツールを徐々に拡大し、Cato Cloudですべて賄える。そんな成長を期待している。」と中島氏は思いを語った。
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導入前の課題と背景
トプコンは、販売、開発、製造の各拠点を世界中に置き、グローバルに事業を展開している。しかし、3年前の当時はWAN構成は国内にしかなく、アジア地域にはMPLS回線を引いていなかった。MPLS回線は、細く遅いことが一番の課題で、限界を感じていた。当社が目指す「医・食・住」のDXソリューションを実現するためには、アジア地域でのWAN拡張と、グローバルな製品開発を実現する”簡易に、速く、セキュアな”ネットワークインフラの準備が急務だった。

株式会社トプコン
DX推進部 ビジネスオペレーション部
主査 中島 崇 氏